妊娠が成立するには、男性側と女性側に一定の条件がそろっていなければならない。卵子と精子が成熟していることはもちろん、子宮内膜が着床できる状態になっていなければいけないし、卵管なども受精卵がスムーズに子宮内に送られるようになっていなくてはいけない。
「卵子と精子が出合って、一つの生命が生まれる」。言葉にするとそれだけのことだが、そこには自然界の絶妙なメカニズムが存在している。
女性には生まれた時から体内にある二つの卵巣に無数の原始卵胞が備わっている。この原始卵胞は思春期を境に活動をはじめ、ホルモンを分泌しながら成熟卵胞となり、1ヶ月に1回ずつ卵巣から卵子が排出される。これを排卵といい、女性の一生のうちで、約500個の卵子が排出されるといわれる。
排出された卵子は、卵管の先にある卵管采というところから、吸い込まれるように卵管の中を子宮へと進んでいく。このとき卵管内に精子があると、精子と卵子が出合って受精卵になるわけだが、数ある精子の中で卵子の中に突入できるのはたった一つだけである。
卵子は1ヶ月に1度だけ出てくるのみで、その生命力は12時間から24時間だけなのである。
卵子が1ヶ月にひとつしか出てこない一方、精子は1回の射精で約3億個が発射されるが、まずは強い酸性の膣の中で大部分が死滅し、数百万個だけがやっと子宮頚管に到達する。そして秒速20~60ミクロンの速さで子宮腔をさかのぼり、卵管に到達できる精子は更に少なくなっている。精子の体内での生存時間は、3日から5日といわれている(稀に7日以上生きるものもあるようだ)。
卵管膨大部で受精した卵子と精子は、受精卵となって細胞分裂を繰り返しながら子宮へ移動する。そして子宮にたどり着く頃には、100個以上の細胞の塊となっている。
子宮にたどり着いた受精卵は、子宮内膜にふわりと着地し、接着剤のようなものを出して内膜にへばりつく。これを着床という。
精子と卵子の出合いからこの着床まで約1週間が経過している。
この着床現象が生じた時はじめて、妊娠が成立したといえる。そして受精卵は胎芽となり、妊娠8週目には胎児となる。
妊娠が成立すると、体はさまざまなサインを発する。
○月経が止まる
自分で妊娠に気づく第一の兆候は、月経が止まること。いつも規則正しく月経のある人が、1週間~10日も月経が送れているようなら、まず妊娠と考えていいでしょう。しかし、環境の変化やストレスなどで月経が遅れることは珍しいことではない。また、普段から月経周期が不規則な人の場合、月経の遅れだけでは判断が難しい。
気をつけなければいけないのが、月経と勘違いしてしまう月経様出血で、月経予定の時期に見る少量の出血です。これは着床時出血とも呼ばれ、順調に妊娠が進行していても起こる出血である。妊娠様出血はいつもの月経より量が少ない、色が薄いなどの特徴があるので気をつけているとわかる。
○基礎体温の高温期が続く
毎日基礎体温をつけている人の場合、月経の予定日を過ぎて更に1週間高温期が続いたら妊娠だと思ってほぼ間違いない。
○さまざまな体の変化
ホルモンの分泌が変わるため、人によってさまざまな変化が現れる。
肌がザラザラして化粧の乗りが悪い、シミやソバカスが増えた。熱っぽくてだるい、食欲がない、1日中眠くてたまらない、おりものが増えた、乳房が張って痛い、などの他に「つわり」の症状が現れる人もいる。
しかし、普段から元気な人だと、何も感じずに過ごす場合がある。
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