不妊症とは、避妊をしていないのに、一定期間が過ぎても妊娠できない状態をいう。WHO(世界保健機関)では、2年間の不妊期間を持つものを不妊症と定義している。
したがって、避妊期間を除いて2年以上妊娠がみられない時は、一般的に不妊症を疑って、なぜ妊娠しないかを調べる必要がある。
不妊症には、避妊期間を除いて一度も妊娠したことのない原発性不妊症と、過去に婚前も含めて妊娠・出産した経験があっても第2子ができない場合の続発性不妊症とがある。
妊娠が成立しても、流産・早産・死産を繰り返すもの不育症と呼び、広い意味での不妊症として治療の対象とされる。
不妊の治療をするためには、まず不妊の原因を調べなければならない。各地の大学病院や大病院の産婦人科には、不妊外来を設けて、専門に取り扱っているところがある。また、個人病院でも体外受精など不妊治療を専門とする病院もあるので、まずは足を運んで、信頼できる病院を選ぼう。
そして病院を決めたら、少なくとも1年ぐらいはじっくりと腰を据えて、検査や治療を受けるようにしよう。
不妊症の最も多い原因となっている。
卵管が詰まっていると、受精はおろか、卵子も精子も通過できない。欄干は左右対称になっているので、片側が不通でももう一方が通過できれば妊娠が可能だが、両側とも閉鎖していると治療をしない限り妊娠は不可能。
原因としては、卵管炎や子宮内膜症などによる卵管の癒着が考えられる。
月経があるのに排卵がない、いわゆる無排卵症の人は妊娠できない。基礎体温が低温期・高温期に分かれず、低温1相になる。また、2~3ヶ月の稀発月経、数ヶ月以上も月経がない続発性無月経の人も排卵されていない場合がほとんど。
原因としては、視床下部―下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌が不足する場合や卵巣の機能不全のほかに、肥満、やせ、糖尿病などによるホルモンの異常などが考えられる。
排卵があり、受精もうまくいったのに、着床ができない場合も妊娠が成立しない。これは、子宮筋腫などによる子宮内膜の不安定さや、黄体機能不全による子宮内膜の発育の悪さなどが原因だと考えられる。
子宮頚管から分泌される粘液は、普段は最近などの異物の侵入を防いでいるが、排卵の時期だけ精子に対して粘液の性質が変化し、精子を通りやすくする。しかし、粘液が不足したり、精子に対する抗体(抗精子抗体)が生産されると精子は通れず、子宮内へ進めなくなり、受精しにくくなるわけである。
性交ができないような女性性器の異常や障害は、大変少ないものであるが、不妊を訴える女性の中には時々見られることがある。
膣口や処女膜が硬く狭くて、ペニスの挿入ができない場合など。また、子宮の発育不全や子宮の位置異常でも妊娠しにくい場合があるので、治療が必要である。
不妊の人が最もつらいのは、子供ができないことで周囲の人からあれこれ言われることではなかろうか。
これが精神的ストレスとなり、不妊治療の効果もあがらないことがある、そしてもうあきらめて治療をやめた途端妊娠するケースがたまにある。これは、精神的ストレスや焦りから解放されたため、妊娠しやすくなったからと考えられる。
海外では、不妊治療に心理療法を取り入れて成果をあげている例もあるとのこと。
通常は、精液1mlあたりに1億近い精子がいるが、その通常の数に満たない場合がある。睾丸でまったく精子がつくられない無精子症や精子が2千万以下の精子減少症、精子が死んでしまっている精子死滅症がそれである。
事故、あるいはおたふくかぜなど、伝染病での高熱が原因になると言われている。
尿道が狭かったり、炎症や腫瘍により尿道がふさがっていると、精子は膀胱に流れていってしまうので、性交の際に精子が放出できない。精管がふさがっていても精子は放出されない。
陰茎屈曲、尿道下裂、陰茎矮小などの奇形がげんいんんで、性交ができない場合が多い。
性欲が起きない、または性欲はあるのに勃起しないなど、一般にインポテンツと呼ばれる場合には性交は行えない。
そのほか、なかなか射精しない遅漏、性的興奮が高まるとすぐに射精してしまう早漏の場合などは、膣内に射精しにくく不妊の原因になるともいえる。
女性の月経のメカニズムは、絶妙なホルモンのバランスがあって成り立つもの。しかしホルモンはストレスや環境の変化に影響を受けやすく些細なことで月経の周期が狂ったりすることは他の項でも述べてきた。
ホルモンのバランスが乱れて月経周期が狂えば、当然、排卵などに影響を及ぼしてくる。排卵はうまくいかなければ妊娠もうまくいかないし、子宮内膜が妊娠のための準備ができず、着床できないなどの現象もホルモンのアンバランスが原因。
太りすぎると、女性の月経周期に悪影響を及ぼすことがは判明している。太りすぎの女性には、月経異常や排卵障害がしばしば見られ、それが原因で不妊になっていることがある。
太りすぎは妊娠中の異常も多くなる。妊娠中毒症などは、早産、死産などが多くなり、母体自体も危険にさらされる。さらに、太りすぎるとお産が長引きやすく、胎児に負担をかけるなど、せっかく妊娠しても無事に出産するのが大変になってしまう。
やせすぎている人も、体の栄養状態が悪い場合、無排卵・不妊症になってしまう。これはもともと体質的にやせている人ではなく、無理なダイエットを続けてやせている人などに多く見られる。
Copyright(c)女性の健康について考える.