子供が欲しい気持ちは大切だが、そればかりを思いつめて、プレッシャーにしないと言うことを頭に入れておこう。
男性側にしても、女性の排卵日に合わせて義務的に性交を強要されるのは、心理的な負担が大きいはずである。
他項でも述べたように、不妊治療をあきらめた途端に妊娠するケースだってあるのだから、気持ちをおおらかに持ってリラックスして不妊治療に臨もう。
また、子供ができない場合には、どうしても夫婦生活を否定的にとらえがちなのだが、夫婦ふたりの絆を深くして、子供がいなくても豊かで幸福な人生を送れるような発想の転換も必要なのだろう。
不妊症には、他項で述べたようにいろいろな原因があり、そのうえ、ひとつだけでなく、いくつかの原因が重なっている場合がある。したがって、治療を受ける前には、原則として、男女ともにスクリーニングと呼ばれるいくつかの検査を行なう。
不妊症の検査の特徴として、女性の場合は月経周期に合わせて検査を進める必要がある。低温期に行うべき検査もあれば、高温期でなければできない検査もある。そのため、スクリーニング検査が終わるまでに数ヶ月かかることがある。
しかし、男性側が行うスクリーニング検査は比較的簡単にできるものが多く、痛みもないので、まず最初に男性側から検査するといい。
排卵がないとき、または排卵があっても卵胞発育・排卵・それに続く黄体の形成という課程に異常が認められ(黄体機能不全)、不妊原因となっていると考えられる時、排卵誘発剤による治療を行う。
同様の目的で、原因不明でも長期にわたる不妊症に対して排卵誘発剤を使用する。特に、体外受精を行う際には、確率上多数の卵子を得る必要があるので、強力な排卵誘発を行う。
しかし、排卵誘発剤の使用には、妊娠後の初期流産が多いこと、副作用として卵巣の過剰刺激と多胎妊娠があることを忘れてはならない。
卵管が閉塞している場合は、マイクロサージャリーという、腹腔鏡下で卵管の手術を行う方法がある。マイクロサージャリーは、従来は開腹して行っていたが、腹腔鏡と手術手技の進歩により、腹腔鏡下で行うことが可能になったのである。
しかし、卵管の回復が思わしくない場合は、次の治療法として体外受精を考えなくてはいけない。
子宮筋腫で内膜にでこぼこがあったり、子宮内腔が癒着してしまうアッシャーマン症候群や、子宮の内腔が二つに分かれている子宮奇形の場合は、子宮に内視鏡を入れて手術をする子宮鏡下手術が行われる。これはお腹も子宮も切ることなく澄むので、術後の回復が早いのが何よりのメリットである。
男性側の治療は、基本的には精子の数を増やす治療法を行う。男性ホルモンなどの薬剤を使用して精子を増やしたり、血液の循環を良くする薬剤を使用することもある。
精子がつくられる過程で問題がある場合や、つくられた精子が射精されるまでの通路の精管の異常で精子が放出されない場合は、手術による治療を選ぶことがある。
精子の数が少ない、精子の動きが悪いなどの問題がある場合に有効なのが、人工授精である。これは子宮内に直接精液を注入するため、精子が楽をするので受精しやすくなる。
人工授精が向こうなっ場合に次に選択されるのが体外受精である。体外受精によってさえも受精しない場合には、顕微授精という切り札がある。
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