女性ホルモンの減少という状態に体がなれるにはある程度の時間を要するが、時期がくれば必ず不快な症状も消えていくもの。あまり症状にとらわれず、前向きな気持ちで過ごすことが更年期をうまく乗り切るポイントではなかろうか。
また更年期の女性は、ちょうど生活習慣病年齢にもあたるので、さまざまな体の変調が、更年期のせいなのか、ほかの病気のせいなのか、きちんと区別しなくてはならない。
成熟期の女性の体は、エストロゲンによってかなりの部分を守られているのである。高血圧や、動脈硬化、糖尿病などの病気が、男性に多く女性に少ないと言われるのはすべてエストロゲンのおかげ。しかし更年期になってエストロゲンが減ってくると、今までかかりにくかった病気にもかかる確率が高くなってくる。そのため、初診の時の血圧測定や血液検査、尿検査など、一般的な検査で、少しでも体に異常が見つかれば、生活習慣病などの合併症がないかを調べる必要がある。
更年期はさまざまな症状が現れるので、初めは症状にあわせた診療科に向かいがちだが、いちばんはじめに向かって欲しいのが、女性の体を専門に診る産婦人科である。
初診時には、問診をする。問診では、どのような症状に悩み、それがいつ頃始まったか、月経の状態、今までの病歴、そして家族の病歴なども聞かれる。月経の記録や基礎体温表があるなら、持参すると参考してもらえるはず。
他に、病院によっては、更年期症状や精神状態の自己チェック表や、食事などの生活習慣の基本的部分についてチェックするところもあるそう。
問診がすんだら内診を受ける。内診では、膣の様子、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣のう腫などの有無を診る。たとえ子宮や卵巣を摘出した人でも、更年期の診断には内診を必要とする。また、この年頃はがんの危険もある年齢なので、子宮がんの検査もする。
医師がこれは更年期症状だと予想をするポイントは、更年期によく見られる症状を患者が訴えた場合だが、その決め手になるのは、内分泌検査といって、血中のホルモン量を調べる検査による。
初診の時は、問診と内診のほかに、触診や打聴診。血圧。尿検査などの一般的な検査もしている。その結果、特に異常がないときは「診断的治療」というものを行う場合がある。
これは、患者本人の年齢が50代前半で、閉経などの更年期特有の症状が見られる場合や、あまりにも症状がきついというときに、内分泌検査の結果を待たずに(検査の結果が出るまで2~3週間かかる)、ホルモン補充療法を試みること。「これ(少量のエストロゲン)を少し飲んで様子を見ましょう」ということである。
ホルモン補充療法の結果、つらい症状が緩和されれば、その症状は更年期が原因だったという判断ができるわけである。しかし最終的な判断は、血液検査の結果を待って、ということになる。
また、一定期間薬を飲んでも効果が現れなかった場合は、他の病気の疑いがあるので専門医を紹介する。
そして合併症があったり、副作用が強くてホルモン補充療法が受けられないような場合は、ほかの治療法を検討することになる。
血圧測定や血液検査、尿検査などの一般的な検査で、生活習慣病などの合併症を見つけることは、更年期障害の津両方を決めるためにも必要なことである。合併症が見つかれば、場合によってはホルモン補充療法が使えなかったり、期間を区切ったりしなくてはいけないケースがあるからである。
また、更年期の症状を訴えて受診する人の中には、症状が似ていてまぎらわしいために気づきにくい、違う病気を持っている場合がある。その場合はいくら更年期障害の治療をしても治らない。それぞれの病気の専門医に診断してもらい、適切な治療を受ける必要がある。
だから、かかりつけの産婦人科医からほかの専門医を紹介された時には、必ず受診すること。
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