間違ったダイエットを何度も繰り返した体は、どんどん痩せにくい体になっていく。またまだ成長期の若い女性の無理なダイエットは、ホルモンに影響を与え、女性としての機能まで危うくして、その後の人生に影響を与えることも。
痩せていることだけが美しいのではなく、健康であることが美しいのだという意識を持ってダイエットに臨もう。
体脂肪を追い出すにはダイエットと運動が必要なことは既に述べたとおり。では、なぜ運動をすれば体脂肪が減るのか?
それは、運動を始めると、運動に必要なホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン・副腎皮質刺激ホルモンなど)の分泌が促される。こうしたホルモンは、血液にのって脂肪細胞まで運ばれ、脂肪細胞の中に入り込んで油滴(体脂肪を蓄えるタンク)のパルプを開けるのである。するとそこに体脂肪を分解するための酵素(ホルモン感受性リバーゼ)が接触してきて、体脂肪とグリセリンに分解してしまう。
体脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解したうち、体脂肪の本体ともいうべき脂肪酸は血液に運ばれて筋肉に行き着く。運動中は、筋肉への血量は通常の数十倍になっていて、筋肉収縮のためのエネルギーと酸素を補給している。そこにこの脂肪酸が流れ込んでくれば、筋肉はこれをエネルギーとして取り込み、筋肉の細胞内の脂肪酸は、最終的にミトコンドリアというところで代謝が行われ、水と二酸化炭素に分解される。
ここまで終わって初めて、「体脂肪は燃えた」といえるのである。
体脂肪を燃やすために、とにかく運動をすればいいのかというと、実はそうでもない。
筋肉には2種類の繊維が存在している。ひとつは、筋肉を動かした時に速い収縮を起こして、瞬間に大きな力を出すのが得意な「速筋繊維」と、もうひとつが筋肉を動かした時に、ゆっくりと収縮して持続力を保つのが得意な「遅筋繊維」である。
このうち速筋繊維のほうは、主に糖質(炭水化物)をエネルギーとして使っている。一方、体脂肪から出てきた脂肪酸をエネルギーにするのが上手なのが遅筋繊維。
すなわち、遅筋繊維を動かす運動をすれば、体脂肪はどんどん減っていくのである。
遅筋繊維を使う運動とは、ウォーキング・エアロビクス・ジョギング・サイクリング・水泳などがある。これらはすべて有酸素運動と呼ばれ、筋肉内の酸素をたくさん取り入れて行う運動。
速筋繊維を使う運動は、全力疾走・重量挙げ・筋力トレーニングなど、筋肉に力を入れる激しいものが中心。この場合エネルギーは無酸素状態で発生するから、体脂肪は燃焼しない。さらに即筋繊維は、使えば使うほど肥大する性質を持っているため、筋肉を増やすのにこの繊維を鍛える。
有酸素運動はどのように始めたらいいのだろう。日ごろ運動をしない人にとっては、なかなか体を動かすことは難しい。
これを機会にと一念発起する人もいるのであろうが、結局続かなかったり、慣れないエアロビやジョギングをして足を痛めてしまったり。これでは健康のためどころかかえって逆効果。
というわけで、ここでは、ウォーキングをおすすめする。ある浮きやすい靴が1足あればいつでもどこでもマイペースでできるし、入会金や使用料を取られることもない。体に強い衝撃を与えることもないので、年齢に関係なくどんな人でもできるというメリットがある。とくに、体脂肪が溜まりやすくなる中高年の人にはうってつけといえる。
実際に有酸素運動を始めた場合、5分でやめてしまったのでは、体脂肪を燃やすための効果はほとんどない。運動し始めたばかりの頃は、筋肉は炭水化物をおもなエネルギー源としている。しかし、20分を過ぎる頃から志望がエネルギーとして使われ始める。
したがって、有酸素運動を最低20分以上続けなければ、体脂肪は燃えないということになる。そのうえ、1日2時間やったからあとはまた来週、というのもいけない。1日20分でいいから毎日続けると効果が出るのである。毎日が無理なら、週2、3日は頑張ろう。
ということから、ウォーキングが、時間も日にちも無理なく続けられて、いい方法なのではなかろうか。
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