尿失禁の原因はいろいろあるが、大きく分けて3つのパターンがある。
○腹圧性尿失禁
○切迫性失禁
○溢流性(いつりゅうせい)失禁
くしゃみや咳をしたとき、もしくは激しい運動をしたり重い荷物を持ったときに起こる尿もれのこと。なぜこのようなことが起こるかというと、急に腹圧がかかって膀胱に圧力が加わり、そのために括約筋が緩んでしまうから。
夜眠っているときには腹圧がかからないので失禁は起こらず、朝起き上がった途端尿が漏れるという特徴がある。
骨盤底の筋肉が衰えている場合が多いため、トレーニングや手術などで治療を行う。
女性の失禁の7~8割はこのタイプだと言われている。
何の前触れもなく突然強い尿意を感じて、トイレに着く前に我慢できず漏らしてしまうのが特徴。このタイプの失禁は、骨盤底筋には問題がなく、膀胱の感覚が敏感すぎたり大脳からの抑制刺激が届かないために起こる。また、ストレスなどがきっかけになることが多く、最近では若い女性に増えていると言われている。
膀胱の容量を増やす薬や、膀胱の排尿筋が敏感に収縮するのを抑える薬が用いられる。
排尿したくてもうまく出せないくせに、我慢していると少しずつ尿が漏れてしまうという矛盾した状態のこと。末梢神経や脊髄が傷つき、大脳が尿意をキャッチできなくなったために、膀胱から許容量を超えた尿が溢れてしまうのである。
骨盤底筋というのは、ハンモックのようにしっかりと膀胱を支えて尿道を圧迫している筋肉のこと。この骨盤底の筋肉が弱まると膀胱が下にずり落ち、骨盤底の筋肉に接する尿道が短くなる。そして尿道を圧迫する力も弱くなり、尿が出やすい状態になる。
この骨盤底筋を弱くする最大の原因が、女性の場合は妊娠・出産だと言われている。妊娠により骨盤底筋が傷ついたり、出産後の会陰縫合の治癒が悪いために骨盤底筋の支えが弱くなり、括約筋が縮みやすくなってしまう場合もある。たいていは、産後4ヶ月くらいで骨盤底の筋力が回復して自然に治るが、特に出産回数の多い人や難産だった人などに、その後も尿もれの症状が止まらないことがある。
最近では「自然分娩」にこだわる人も多いようだが、負担の少ないお産をして、出産時の骨盤底筋の損傷を最小限にとどめることも必要なのではないだろうか。
また、太っていると、皮下脂肪が膀胱や腸を圧迫するのでそれだけ骨盤底筋に負担がかかり、伸びきってしまうこともある。そうなるとやはり、病漏れが起こりやすくなる。筋力が衰える中高年の人は、特に注意しておくこと。
更に、あまり運動をしない人も、骨盤底筋の筋力が弱く、加齢とともに尿失禁になりやすいようである。
尿失禁の治療法は、理学療法、薬物療法、外科的療法、生活指導の4つに分けられる。
理学療法として一般的に行われているもののひとつに、骨盤底トレーニングがある。コレは骨盤底の筋肉を鍛えることによって尿もれを防ぐことが目的で、年齢を問わずにできて、広範囲の尿失禁に効果のある方法。特に出産後の人は意思や助産婦さんの指導に従って行うようにする。
薬物療法は、膀胱の緊張を弱めて膀胱内の圧力を下げる働きのある薬や、膀胱や尿道の内圧を安定させる働きのある薬を服用する場合もある。閉経気に尿道の萎縮からくる尿失禁の場合には、ホルモン療法も効果的。
外科的療法の対象になるのは子宮脱などによって尿道の方向が異常となったり、骨盤底筋は緩んでいるような場合。これは手術をして変形を治さない限り、尿もれは治らない。
生活指導の場合、肥満防止や長時間の立ち仕事をしないなど、骨盤底の負担を軽くするような生活習慣を指導する。
Copyright(c)女性の健康について考える.