「眠れない」と訴える人の睡眠時間を調べてみると、案外十分な睡眠時間を取っているケースが多い。しかし、睡眠に関する満足度は、必ずしも睡眠時間に一致するわけでなく、すぐに寝つけない、寝ているべき時間に目が覚めてしまうなどそのことがその人にとって不安やストレスとなってしまうようだ。そうなると、不眠に対する恐怖症ということになります。
ひと口に眠れないといっても、なかなか寝付けない「入眠障害」、やたら早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、寝ている途中で目が覚めてしまう「中間覚醒」、全体に眠りの浅い「熟睡困難」の4種類がある。原因は人それぞれだが、精神的ストレスや心の病気によるもの、眠りにくい環境、薬や飲酒によるもの、眠りのサイクルが狂ったため、などが考えられる。
眠りには、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類がある。ノンレム睡眠とは体も脳も眠っている深い眠りの状態のことをいう。レム睡眠は体は眠っていて脳は起きているときと同じように活動している浅い眠りの状態。通常の睡眠は、このノンレム睡眠とレム睡眠が交互に繰り返されている。
まず、眠りに落ちると、ノンレム睡眠が現れ、徐々に眠りは深くなってある程度まで行くと、今度はだんだん眠りが浅くなる。その後すぐに短いレム睡眠が起こり、そしてまたノンレム睡眠へと移っていく。この1セットがほぼ90分、一晩で4~5セット繰り返すのだが、朝になるにしたがって、ノンレム睡眠時の深い眠りが少なくなり、ノンレムの浅い眠りとレム睡眠が消えてやがて目覚めを迎える。
健康な眠りとは、目覚めたときに満足感のある眠りをいう。これは、ノンレム睡眠とレム睡眠の90分、1セットを一晩に2~5セット取ることで実現する。
何セット取ればいいのかは、個人差があるので一概に言えないが、脳は必要な休息の大半を眠り始めてから3時間のうちにとってしまうとも言われている。したがって、人によっては3時間眠ればいいという人もいる。また、ストレスが増えると睡眠時間が長くなるという研究データもあり、その日の体調などにもよるようだ。
いずれにしても、すっきり目覚められるのはレム睡眠のときなので、目覚まし時計をかける際は、その日の体調を考えながら、3時間にプラス90分ずつの時間を意識してみるといいようである。
なかなか寝つけないとか、変な時間に目が覚めて、そこから深い眠りにつけないなどの症状を訴える人は、眠ることに執着するあまり神経が興奮してしまっている。
例えば入眠障害の人は、寝る前に歯を磨く、パジャマに着替えるなど、いつもの習慣を始めると「また眠れなかったらどうしよう」と緊張してしまい、眠れないのである。こういう人は「眠れなくたって死にやしないんだから」くらいの気持ちでいて、眠れないときには無理に眠ろうとせず、開き直ってしまうことも大切。眠ることをあきらめて本でも読み始めたとたん、眠くなってきたりするもの。
熟睡困難の人は、うつ病などの心の病気の場合もある、この場合は、病気が治らなければ不眠は治らない。したがって、あまりにも不眠の状態が長く続く場合には、心療内科などのカウンセリングを受けてみたほうがいい。
どのタイプの場合でも、安易に市販の睡眠剤を使用することはやめよう。睡眠剤は必ず医師の指示に基づいて使用するようにしなければ、思わぬ病気の発見が遅れたり、クセになったりとかえって健康を損ないかねないのである。
Ⅰ 眠る前は、好きなことをして気持ちをリラックスさせる。
Ⅱ 人間は体温が下がるとき眠りにつきやすくなるので、昼間なるべく体を動かして体温を上げておく。
Ⅲ 牛乳にはトリプトファンという睡眠を誘う物質が入っているので、寝る前のナイトミルクは効果的。
Ⅳ 枕の高さや布団の高さ、重さなど、体に合った寝具を使うようにする。
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