エイズの日本語訳は「後天性免疫不全」といい、1981年に発見された新しい病気である。
エイズに感染すると、白血球〈リンパ球)の機能が破壊される一方、ウイルスに対する抗体が生産されなくなって、免疫不全になることがわかっている。そして健常者だと普通は発病しない最近やウイルスなどの病原微生物に感染して死に至る。
エイズウイルスは、血液・精液・唾液・涙の中に存在する。体外では熱や消毒液に弱く、伝染力は弱いとされているが、感染して〈感染するとキャリアーと呼ぶ)発病すると50%が1年以内に、75%の人が3年以内に死亡すると言われている。
しかし、感染しても、すぐに発病するわけでなく人によって潜伏期間が違ううえ、現れる症状も違う。
感染してもすぐに症状の出る人は少なく、約70%の人がなんの症状も出ないという。しかし10%の人は、感染後約数ヶ月から5年の間に初期症状が出る。
人により、次のような症状が起こる。
● 疲れやすくなる
● 体重が急激に減る
● 微熱が続く
● 下痢が続く
● あちこちのリンパ筋が腫れて、グリグリができる
エイズウイルスにより免疫不全の状態が進行すると、普通では感染しない以下で紹介するような病気にかかる。これを日和見感染と言って、感染者は衰弱の一途をたどる。
○ むくみ、発疹、出血などが現れる皮膚の悪性腫瘍
○ 呼吸困難、チアノーゼ、発熱、から咳などが表れる肺の病気
○ カンジダ菌による食道炎。食物がのどを通らなくなる
○ エイズウイルスはリンパ球のほかに脳の細胞も侵すため、記憶力低下、けいれん、うわごと、運動障害、痴呆などを引き起こす
日和見感染の結果、体が衰弱してついには死に至る。
エイズウイルス(HIV・ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって起こる。主な感染経路は以下に書くとおり。
○ 性的な接触
最も感染しやすいのがこの、セックスによる感染。ウイルスは精液や膣の分泌物に含まれているので、コンドームを使うことでその危険性は減らすことができる。また、唾液にも含まれているので、相手とのディープキスやフェラチオ、クンニリングスなどの口を使った性行為も感染の危険がある。
○ 血液製剤
現在は加熱滅菌処理をされているが、1985年以前の日本の血液製剤はエイズウイルスを含んでいるものだったので、これを治療薬として使っていた血友病患者の多くがエイズに感染して、現在も裁判などで闘っているのである。
○ 輸血
現在日本の病院で受ける輸血は、予防措置が取られているので心配要らない。
○ 傷からの感染
エイズ感染者の血液が、皮膚や粘膜の傷についた際に、感染の危険がある。
○ 注射針
ひとつの注射針を消毒しないで何人もの患者に使用した場合、その中にエイズ患者がいれば感染の可能性がある。また、麻薬中毒患者などが、同じ注射器をまわして使っている場合も感染の危険がある。
○ 母子感染
ニンフがエイズ抗体陽性の場合、新生児の50~60%は感染する。また、幼児に口移しで食べ物を与える場合も感染の危険性は高い。
エイズの症状が出るまで数年かかる場合もある。したがって、心配な場合は血液検査を受ける。感染したと思われる時期から8週間が過ぎると血液の中の抗体が陰性か陽性か判断することができる。それ以前はまだ抗体ができていないかもしれないので、調べても正しい結果が出ないことになる。陰性なら、エイズウイルスに感染してないということになる。
エイズウイルスを完全に破壊するような治療法は残念ながら今のところまだ見つかっておらず、予防のためのワクチンもまだ開発されていない。そのため現在では、免疫力を高める薬を投与したり、日和見感染のそれぞれの症状を抑えるための治療を行っている。
エイズは感染力が弱いので。日常生活で気をつけていれば十分予防できる病気である。今のところ特効薬のないこの病気は、予防が最大の治療だと言えそうだ。
エイズウイルスは、感染者の血液、精液、唾液の接触に注意すればいい。具体的には以下に書くようなことである。
○ 不用意に他人の血液に触れない。
○ カミソリ、歯ブラシなどの共用を避ける。
○ 不特定多数の人とのセックスは避け、信頼できるパートナーを持つ。
○ お互いに感染しているかどうかわからないときは、コンドームを使うなど直接体液に触れないようにする。また、ディープキスや口を使った性行為は避ける。
エイズに関しては、まだ決定的な治療法がない分、いろいろな誤解が多いようなので、以下に書くことでは感染しないと書き加えておく。
○ 蚊など虫や動物からの感染はない
○ 空気感染でないので、咳やくしゃみでは感染しない
○ コップの回し飲みや寄せ鍋など、食器や飲食物からの感染もない
○ プールやお風呂などでは感染しない
○ エイズ患者との握手やつり革や手すり、お金を通しての感染はない
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