梅毒とは、スピロヘータ・パリダという微生物の感染による伝染病である。セックスやキスなどにより皮膚の傷や粘膜から感染する。また、感染後の進行状況によって、Ⅰ期からⅣ期に分けられる。
妊婦が感染していた場合は、死産、早・流産の危険性が高くなる。また、生まれた新生児には、発疹・関節炎・角膜炎などが見られ、死亡率も高くなる。
感染後3ヶ月までの期間のこと。感染してから2~3週間経って、感染の起こった場所(外陰部、口唇、肛門周辺など)に米粒大から親指大くらいの軽いしこりができ、まもなく崩れて無痛性の潰瘍となる。この時期は、まだ血液の梅毒反応ははっきりと陽性にならない。更に1週間くらいすると、足の付け根などのリンパ腫にもスピロヘータ・パリダが侵入して腫れてくる。痛みは特になし。これらの症状は、7週間くらいで一度消失する。しかし決して治ったわけではなく、梅毒の潜伏期間になる。
感染後3ヶ月から3年まで。表面的には無症状な時期にも、スピロヘータ・パリダは血液の中に入って全身に回る。この頃から微熱や倦怠感とともに全身のリンパ節が硬く腫れて、痛みのない発疹(梅毒疹)が現れる。これは最初は、淡紅色のバラ疹だが、盛り上がった湿疹になって膿をもったりする。
この発疹についている分泌物や膿の中にはスピロヘータ・パリダが多数存在し、これに接触した人に感染する最も危険な時期である。
この発疹が3~6ヶ月ごとに出たり消えたりしながら、時にはいぼ状になったり陰毛が抜けたりする。
3年から10年まで。顔や骨、筋肉、内臓にまで硬いしこりやゴム状のこぶ(ゴム腫という)が現れる。これは回りの組織を破壊するので、治っても顔などに醜い跡が残る。
またこの頃には、スピロヘータ・パリダが全身の血管、神経、脳にまで達している。
10年以降。ここまできてしまうと脳や脊髄などの神経系統が侵されて、痴呆・失禁・手足の痺れなどが現れる。更に血管も侵されて、大動脈瘤ができたりする。鼻が崩れたり、爪や性器なども壊死して、人並みの生活は送れなくなる。
ワッセルマン反応という血液検査をするのが一般的。感染の機会があったと思われる3週間以降に検査を受けよう。それ以前だと陰性と出ることがあるからである。
ペニシリン系の抗生物質を注射または内服する。第Ⅰ期までの梅毒なら、95%が完治する。第Ⅳ期になると投薬以外に外科的治療なども必要になってくる。
一般に治療が遅れるほど大量の投薬が必要となり、時には一生血液反応が陰性のまま残ることもある。早いうちに治療しよう。
また、妊婦が感染していた場合は、胎盤を通して胎児にも感染するので、できれば胎盤のできる15週以前(4ヶ月)に治療を済ませるようにしたいもの。そして、母体の梅毒は母乳でも感染するので、授乳は人工ミルクに頼ることになる。
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